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第1土曜特集 My Medicine(マイ・メディシン)――オルガノイド研究が拓く新しい医療のかたち
移植再生研究の観点から
下垂体オルガノイドによるマイ・メディシン
My medicine using human induced pluripotent stem cell-derived pituitary organoid
須賀 英隆
1
,
有馬 寛
1
Hidetaka SUGA
1
,
Hiroshi ARIMA
1
1東海国立大学機構名古屋大学大学院医学系研究科糖尿病・内分泌内科学
キーワード:
下垂体
,
視床下部
,
オルガノイド
,
再生医療
,
難病研究
Keyword:
下垂体
,
視床下部
,
オルガノイド
,
再生医療
,
難病研究
pp.654-661
発行日 2021年2月6日
Published Date 2021/2/6
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27606654
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視床下部・下垂体は恒常性維持に重要な内分泌器官である.その機能低下症に対する現行治療には限界が存在する.次世代の治療として期待される再生医療技術だが,視床下部・下垂体における組織幹細胞はいまだ明確には定義されておらず,利用方法が定まっていない.一方で,ヒト多能性幹細胞は材料として有力であり,筆者らはここに注力している.再凝集技術を利用した立体培養を基礎として,視床下部や下垂体の発生様式を試験管内で再現し,ホルモンを分泌する能力を備えた内分泌細胞が分化誘導できるようになった.立体培養の特徴を生かした組織間相互作用の結果,分化組織の成熟度が上がり,分泌能力向上や周囲組織との連携が再現できるようになった.生体において視床下部や下垂体は小さいうえに,多種類の内分泌細胞が核を成して偏在するなど,これまでは試験管内で実験材料として扱うには難しい面があった.ヒト多能性幹細胞を用いたオルガノイド技術で,再生医療や遺伝子疾患モデル化が可能になりつつある.
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