FORUM 日本型セルフケアへのあゆみ・第9回
標準治療は,本当に患者にとって最適な治療か?
児玉 龍彦
1
1東京大学先端科学技術研究センターがん・代謝プロジェクトリーダー,日本セルフケア推進協議会業務執行理事
pp.314-318
発行日 2021年1月23日
Published Date 2021/1/23
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27604314
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
POINT
●がんの治療にあたり,医者は有効性と安全性の立証された標準治療を勧める.そこで注意しなくてはいけないのは,治験での生存期間を指標にした標準治療というものが,患者の希望と合致しているかである.
●生存期間に大きな差がない場合,副作用やQOLの低下を考慮し,あえて標準治療を選択しないという患者の希望も尊重されるべきである.
●医者は標準治療を提示するだけでなく,患者に「がん治療において,あなたは何を最優先にしたいのですか?」と丁寧に確かめる,当事者主権の視点を持つことも必要である.
Copyright © 2021 Ishiyaku Pub,Inc. All Rights Reserved.