特集 虚血評価はPCIの適応,治療をどう変えたか?
治す13
ISCHEMIA試験後の最適な治療
田中 信大
1
,
可児 純也
1
1東京医科大学八王子医療センター循環器内科
キーワード:
ISCHEMIA試験
,
安定狭心症
,
至適薬物療法
,
PhysiologyガイドPCI
Keyword:
ISCHEMIA試験
,
安定狭心症
,
至適薬物療法
,
PhysiologyガイドPCI
pp.458-462
発行日 2021年5月9日
Published Date 2021/5/9
DOI https://doi.org/10.18885/HV.0000000553
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日本をはじめとし,アメリカ,ヨーロッパ,すべてのガイドラインは,経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention:PCI)適応の判断においては,虚血の証明に基づくことが推奨されている。PCIの恩恵を受ける対象の判定として,虚血の有無だけでなく,虚血の広さが中等度以上(左室の10%以上)であることが重要と考えられてきた。そのようななか報告されたISCHEMIA試験では,中等度以上の虚血を有していても,安定した狭心症であれば,侵襲的治療と至適薬物療法(optimal medical therapy:OMT)で予後に差はみられなかった。この結果は,決して虚血評価はPCI適応決定に意味がない,ということではなく,虚血の有無や広さに加えて,強さ,時間経過,患者の嗜好など,多くの事項を併せて判断することの重要性が示されたものである。
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