特集 虚血評価はPCIの適応,治療をどう変えたか?
治す14
SYNTAX Ⅱ試験から考える最適の治療
浅野 拓
1
1聖路加国際病院循環器内科
キーワード:
多枝病変
,
血行再建
,
iFR
,
FFR
,
“state-of-the-art”PCI
Keyword:
多枝病変
,
血行再建
,
iFR
,
FFR
,
“state-of-the-art”PCI
pp.463-468
発行日 2021年5月9日
Published Date 2021/5/9
DOI https://doi.org/10.18885/HV.0000000554
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
プレッシャーワイヤーを用いた冠動脈生理学的評価は血行再建の適応判断において有用であり,日常の臨床でも広く行われていることであるが,SYNTAX Ⅱ試験はこの生理学的評価を含めた現代の経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention:PCI)技術の集結が,多枝病変患者において過去のPCIと比較してどれくらい臨床予後を改善したかを定量化した試験である。運動負荷心電図やSPECTなどの非侵襲的検査は多枝病変患者において虚血責任血管を同定することが難しく,血行再建標的を決定するツールとしては不十分であることもあるが,プレッシャーワイヤーを用いた虚血評価は,血管別に虚血の有無を認識することができるため,ヨーロッパ心臓病学会(European Society of Cardiology:ESC)のガイドラインでも多枝病変に対してプレッシャーワイヤーを使用することが推奨されている。本稿では,SYNTAX Ⅱ試験の結果から読み取れる多枝病変に対する最適な血行再建に関して,physiologyを中心にまとめる。
Copyright © 2021, MEDICAL VIEW CO., LTD. All rights reserved.