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第1土曜特集 乳癌のすべて2024
予防・診断の進歩
早期乳癌における治療最適化への挑戦
-――バイオマーカーの役割と未来展望
Challenges in optimizing treatment for early breast cancer
――The role of biomarkers and future perspectives
岩本 高行
1
Takayuki IWAMOTO
1
1川崎医科大学附属病院乳腺甲状腺外科学
キーワード:
乳癌
,
バイオマーカー
,
予後予測
,
治療効果予測
Keyword:
乳癌
,
バイオマーカー
,
予後予測
,
治療効果予測
pp.373-377
発行日 2024年8月3日
Published Date 2024/8/3
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290050373
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ある薬剤を必要な乳癌患者に届けるためには,予後予測と同時に効果予測を行う必要がある.早期乳癌におけるresidual disease-guided approachでは,術前化学療法後に残存病変(RD)が存在し,予後不良が予測される乳癌患者に対するエスカレーションとして,HER2陰性乳癌のカペシタビンやHER2陽性乳癌のトラスツズマブ エムタンシン(T-DM1)の有効性が報告されている.ホルモン受容体陽性/HER2陰性早期乳癌におけるオンコタイプDX乳がん再発スコア®は,化学療法の効果予測が可能であると報告されている.また,腫瘍浸潤リンパ球(TIL)は,予後や化学療法の効果予測因子となる可能性があるとして注目されている.さらにコンパニオン診断薬として,早期乳癌でもPARP阻害薬であるオラパリブに対するBRACAnalysis®診断システムが,2022年8月に適応範囲拡大となった.今後,人工知能(AI)などの技術革新によって,より効率的なアルゴリズムの構築が期待される.その一方で,持続可能で次世代へつながる医療も課題となる.
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