特集 虚血評価はPCIの適応,治療をどう変えたか?
治す12
ORBITA試験後の最適な治療
塩野 泰紹
1
1和歌山県立医科大学循環器内科
キーワード:
CCS
,
1枝病変
,
PCI
,
至適薬物療法
,
プラセボ対照二重盲検化比較試験
Keyword:
CCS
,
1枝病変
,
PCI
,
至適薬物療法
,
プラセボ対照二重盲検化比較試験
pp.454-457
発行日 2021年5月9日
Published Date 2021/5/9
DOI https://doi.org/10.18885/HV.0000000552
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経皮的冠動脈インターベンション(percutaneous coronary intervention:PCI)が初めて実施されてから約40年が経ち,現在わが国でも年間20万人近い慢性冠症候群(chronic coronary syndrome:CCS)患者がPCIを受けている。PCIは生命予後および症状の改善を目的に実施されてきたが,CCSに対するPCIは生命予後を改善し難いことを,COURAGE試験やISCHEMIA試験など,数々のランダム化比較試験(randomized controlled trial:RCT)が示してきた。残されたPCIの意義は症状改善にあるといえるが,ORBITA試験がPCIによる症状改善効果に対しても否定的な結果を報告し,“Last nail in the coffin for PCI in stable angina?”とコメントされるほど,PCIの意義が揺らいでいる。本稿では,ORBITA試験がどう解釈でき,そのうえで最適な治療とは何か考察する。
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