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連載 バイオミメティクス(生体模倣技術)の医療への応用・vol.14
生物に学ぶ防汚材料:カタツムリから学ぶ
Biomimetic antifouling hydrophilic tile:Learning from snail shell
井須 紀文
1
Norifumi ISU
1
1(株)LIXIL Technology Research本部 分析・材料研究所
キーワード:
カタツムリ
,
環境負荷低減
,
セラミックス
,
防汚
,
抗菌
Keyword:
カタツムリ
,
環境負荷低減
,
セラミックス
,
防汚
,
抗菌
pp.308-313
発行日 2021年1月23日
Published Date 2021/1/23
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27604308
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地球環境への負荷低減のため,CO2排出80%削減を目標に,“つくる”,“つかう”,“もどす” の各段階で環境負荷低減と商品価値向上を同時に実現する新技術の研究開発に取り組んでいる.それを実現するためのひとつのヒントは,エネルギーや物質をカスケード的に効率良く利用している生物や地球にあると考えている.カタツムリの殻は有機物と炭酸カルシウムでできた複合材であり,空気中では樹脂と同程度の撥水性を示すが,水中での油接触角測定では油が付着しない超親水性を示す.これは,殻表面の微細で規則的な凹凸構造により表面に水膜が形成されるためと考えられる.本報告では,カタツムリに学んだ環境負荷を低減する防汚・抗菌技術について述べる.とくに,住宅での汚れやすい環境にある水まわり向け材料に防汚・抗菌性能を付与することで,使用場面での洗浄水量の低減による環境負荷低減と同時に,手入れが容易であるというユーザーメリットを実現できる.
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