Japanese
English
TOPICS 腎臓内科学
便秘薬による腎臓病の進行抑制と心血管疾患予防の可能性
The potential of laxatives to inhibit the progression of kidney disease and prevent cardiovascular disease
菊地 晃一
1,2
,
阿部 高明
1,3
Kouichi KIKUCHI
1,2
,
Takaaki ABE
1,3
1東北大学病院腎・高血圧・内分泌科
2東北大学東北メディカル・メガバンク機構
3東北大学大学院医工学研究科分子病態医工学分野/医学系研究科病態液性制御学分野
pp.232-233
発行日 2021年1月16日
Published Date 2021/1/16
DOI https://doi.org/10.32118/ayu27603232
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慢性腎臓病(chronic kidney disease:CKD)患者や透析患者は健常人と比べ便秘の有病率が高い.CKD患者における便秘はQOLを低下させるだけでなくCKDの悪化要因となる可能性も指摘されている.すなわち,便秘により腸管内容物の大腸内滞留時間が延長し腸内細菌叢の組成や毒素代謝に影響することが報告されており1),便秘を合併する群では非合併群と比較してCKDへの移行率や末期腎不全へ進行する危険性が高く,さらに便秘の重症度とGFR低下速度の相関性が示されている2,3).したがってCKD患者では便秘への介入による腸内環境の整備が腎臓に対する治療という意味でも重要な選択肢のひとつとなりうる.
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