特集 慢性腎臓病・透析患者の酸化ストレス―最新知見と治療展開
2.慢性腎臓病における酸化ストレス進展機序(4)慢性腎臓病患者の腸内細菌叢と酸化ストレス
三島 英換
1
,
菊地 晃一
2
,
阿部 高明
3
1東北大学病院腎高血圧内分泌科
2東北大学東北メディカル・メガバンク機構
3東北大学大学院医工学研究科
キーワード:
尿毒素
,
インドキシル硫酸
,
p―クレシル硫酸
Keyword:
尿毒素
,
インドキシル硫酸
,
p―クレシル硫酸
pp.1539-1545
発行日 2020年11月10日
Published Date 2020/11/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000001530
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腸内細菌叢という側面からの慢性腎臓病(CKD)の病態解明および治療法の開発が期待されている.CKDとくに維持透析患者では腸内細菌叢が変化している.インドキシル硫酸,p―クレシル硫酸といった酸化ストレスを惹起する尿毒素は腸内細菌叢代謝によって産生される.また,腸内細菌叢由来尿毒素であるフェニル硫酸は糖尿病性腎臓病の予後予測マーカーともなる.腸内細菌叢の有無は,キサンチンオキシドレダクターゼなどの酸化ストレス制御に関与する分子の発現量にも影響している.このように腸内細菌叢はCKDの酸化ストレス病態に寄与しており,腸内細菌叢への介入がCKDの治療標的になる可能性がある.
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