特集 患者満足度の高い便秘診療
なぜ便秘は生命予後が悪いか〜疫学とそのメカニズムに迫る
腎疾患における便秘治療の重要性
菊地 晃一
1,2
,
阿部 高明
1,3,4
1東北大学病院腎・高血圧・内分泌科
2東北大学東北メディカル・メガバンク機構
3東北大学大学院医工学研究科分子病態医工学分野
4東北大学大学院医学系研究科病態液性制御学分野
キーワード:
腸腎連関
,
便秘
,
慢性腎臓病
,
CKD
,
尿毒素
Keyword:
腸腎連関
,
便秘
,
慢性腎臓病
,
CKD
,
尿毒素
pp.1429-1432
発行日 2020年8月10日
Published Date 2020/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402227118
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Point
◎慢性腎臓病と腸内環境が密接に関係する「腸腎連関」が明らかになっている.
◎便秘症は慢性腎臓病(CKD)の発症や進行と密接に関係している.
◎腸腎連関のキーワードの1つが尿毒素であり,腸内細菌叢由来の尿毒素の蓄積がさらに腎機能を悪化させる悪循環に陥る.
◎便秘による大腸内の内容物滞留時間の延長は腸内細菌由来尿毒素産生の亢進や吸収増加をもたらし,CKDの病態を悪化させうる.
◎適切な便通管理はCKDの治療選択肢の1つになりうる.
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