特集 便秘と慢性腎臓病・透析医療
5.便秘,腸内細菌叢,長期予後
菊地 晃一
1
,
阿部 高明
1,2
1東北大学病院腎・高血圧・内分泌科
2北大学大学院医工学研究科分子病態医工学分野/医学系研究科病態液性制御学分野
キーワード:
腸腎連関
,
尿毒素
,
腸内細菌叢
,
便秘
Keyword:
腸腎連関
,
尿毒素
,
腸内細菌叢
,
便秘
pp.357-365
発行日 2022年4月10日
Published Date 2022/4/10
DOI https://doi.org/10.19020/CD.0000002096
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近年,CKDの病態を修飾する因子の一つとして腸内環境が注目されている.腎機能の低下に伴って生体内に蓄積する代表的尿毒素であるインドキシル硫酸,パラクレシル硫酸,トリメチルアミン-N-オキシド(TMAO)はいずれも食事成分を原料にして腸内細菌代謝によって産生される.これらの尿毒素の血中濃度が高いと腎障害を惹起し腎機能のさらなる低下を招くだけでなく,心血管イベント発生率や総死亡率を高めることが報告されている.また便秘もCKDの発症や進展のリスクである.CKDの新たな治療選択肢の一つとしてプレバイオティクスやプロバイオティクスといった腸内環境に介入することで尿毒素を低減させる方法の可能性が模索されている.
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