特集 自然消褪する皮膚病
臨床例
小児の汎発性環状肉芽腫
遠藤 恵
1
,
渡邊 絵美子
,
大方 詩子
,
栗原 佑一
,
宮川 俊一
,
入江 理恵
1川崎市立川崎病院 皮膚科
キーワード:
自然寛解
,
鑑別診断
,
苔癬-扁平
,
皮膚疾患-下肢
,
肉芽腫-環状
,
紅斑-環状
,
サルコイドーシス-皮膚
Keyword:
Diagnosis, Differential
,
Lichen Planus
,
Leg Dermatoses
,
Remission, Spontaneous
,
Granuloma Annulare
pp.479-482
発行日 2016年5月1日
Published Date 2016/5/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2016298350
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3歳男児。両下腿、足背に自覚症状を欠く拇指頭大までの皮疹が出現し、近医の皮膚科を受診、外用治療を受けるも新生が続くため著者らの施設へ受診となった。所見では両下肢に拇指頭大までの浸潤を伴う紅斑と小結節が多発しており、一部の辺縁は環状を呈し、堤防状に隆起していた。以上、これらの臨床像と病理組織像を併せて本症例は環状肉芽腫と診断され、遮光と虫よけスプレーの使用を指導し経過観察とした。その結果、初診から2週間経過で下腿の皮疹は一部消退したものの、臀部に新生がみられた。そこで、右下腿にリンデロンVG軟膏、左下腿にタクロリムス水和物軟膏の外用を開始し、ハーフサイドテストを行ったところ、両下腿とも左右差なく徐々に消退し、初診から4ヵ月目には完全消退した。
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