the case of the month
顔面に脂漏性皮膚炎様の皮疹を生じたHailey-Hailey病
鬼頭 里佳
1
,
赤木 有沙
,
加畑 大輔
,
中島 利栄子
,
高瀬 早和子
,
太田 深雪
,
立花 隆夫
1大阪赤十字病院 皮膚科
キーワード:
Etretinate
,
Darier病
,
皮膚炎-脂漏性
,
鑑別診断
,
多剤併用療法
,
経口投与
,
経皮投与
,
皮膚疾患-顔面
,
発疹
,
天疱瘡-良性家族性
,
Betamethasone Butyrate Propionate
Keyword:
Administration, Cutaneous
,
Administration, Oral
,
Diagnosis, Differential
,
Etretinate
,
Facial Dermatoses
,
Drug Therapy, Combination
,
Exanthema
,
Darier Disease
,
Dermatitis, Seborrheic
,
Pemphigus, Benign Familial
,
Betamethasone Butyrate Propionate
pp.973-976
発行日 2014年10月1日
Published Date 2014/10/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2015024188
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<症例のポイント>・腋窩・鼠径部にHailey-Hailey病(家族性良性慢性天疱瘡、以下、HHD)の典型的な皮疹が先行し、経過中に発生部位としてはまれな顔面に脂漏性皮膚炎様の皮膚病変が出現した症例を経験した。顔面の皮膚生検では、Hailey-Hailey病の病理組織所見であった。・HHD患者では全身の皮膚で棘融解を起こしうるため、自験例でみられた顔面の皮疹も脂漏性皮膚炎の基盤に棘融解を二次的に生じた可能性を考慮する必要がある。しかし、「顔面の皮疹出現後早期に施行した皮膚生検には皮膚炎の所見を認めなかったこと、ステロイド薬の外用に反応せずエトレチナート増量に伴い速やかに消褪したこと、経過中に背部および頭皮にも紅斑病変が出現したがこれらの病理組織像には棘融解がみられなかったことから、顔面の皮疹は二次的に生じた棘融解ではなくHHDの皮膚病変と考えた。
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