特集 生物学的製剤・副作用
臨床例
抗TNF-α抗体製剤による薬剤性神経障害の2例
谷村 裕嗣
1
,
山崎 文和
,
岡本 祐之
1関西医科大学 皮膚科学教室
キーワード:
乾癬
,
神経系疾患
,
生検
,
Infliximab
,
Adalimumab
Keyword:
Adalimumab
,
Infliximab
,
Biopsy
,
Nervous System Diseases
,
Psoriasis
pp.437-440
発行日 2014年5月1日
Published Date 2014/5/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014240732
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<症例のポイント>症例1:78歳、女性。体幹に膿疱を伴う紅斑が出現し、皮膚生検にて膿疱性乾癬と診断し、infliximabによる治療を開始した。infliximab投与5ヵ月目よりふらつきと四肢のしびれが出現した。神経内科にて脱髄性多発神経障害と診断された。infliximabによる薬剤性神経障害を疑い、投与を中止したところ3ヵ月後には症状は消失した。症例2:78歳、男性。尋常性乾癬に対するadalimumab投与3ヵ月目よりふらつきとめまいが出現し、投与中止後、2ヵ月で消褪した。皮疹が再燃したため、adalimumab投与を再開したところ、再投与2ヵ月目より神経症状が再燃した。adalimumabによる神経障害を疑い、ustekinumabに変更し2ヵ月後、症状は消失した。抗tumor necrosis factor α(TNF-α)抗体製剤は、尋常性乾癬をはじめ関節リウマチ、Crohn病、Behcet病で使用されているが、Guillain-Barre症候群、多発性硬化症、chronic inflammatory demyelinating polyneuropathy(CIDP)といった神経障害が治療中に発症することがある。今回われわれは、抗TNF-α抗体製剤による薬剤誘発性神経障害の2例を報告する。
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