IBD治療のcritical point-私ならこうする
潰瘍性大腸炎 ステロイド依存性の見極めと治療方針 抗TNFα抗体製剤による寛解維持療法
岩崎 哲良
1
,
猿田 雅之
1東京慈恵会医科大学 消化器・肝臓内科
キーワード:
Azathioprine
,
Steroids
,
モノクローナル抗体
,
大腸炎-潰瘍性
,
多剤併用療法
,
薬物抵抗性
,
寛解導入
,
治療成績
,
Infliximab
,
Adalimumab
,
腫瘍壊死因子アルファ
,
維持化学療法
Keyword:
Infliximab
,
Adalimumab
,
Antibodies, Monoclonal
,
Azathioprine
,
Drug Therapy, Combination
,
Colitis, Ulcerative
,
Drug Resistance
,
Steroids
,
Remission Induction
,
Tumor Necrosis Factor-alpha
,
Treatment Outcome
,
Maintenance Chemotherapy
pp.649-654
発行日 2016年5月20日
Published Date 2016/5/20
DOI https://doi.org/10.19020/J01937.2016299262
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
活動性の高い潰瘍性大腸炎の治療において,ステロイドは寛解導入に大変有用な薬剤であるが,ステロイド漸減中に再燃する「ステロイド依存例」が存在する.抗TNFα抗体製剤は,難治性の潰瘍性大腸炎に対して高い寛解導入率と寛解維持率を示し,新しい有望な治療戦略として高く評価されている.しかし,古典的には,ステロイド依存例に対してはチオプリン製剤が大変有用で,ステロイド減量効果だけでなく長期の寛解維持効果も示されている.そのため,今後も安易に抗TNFα抗体製剤を使用するのではなく,まずはチオプリン製剤を試みて評価をしてから使用の検討をすることが望まれる.
Copyright © 2016, Nihon Medical Center, Inc. All rights reserved.