特集 薬疹-2013
臨床例
インフリキシマブによる乾癬型薬疹
湯上 徹
1
,
小西 道雄
,
大田 妙子
1砺波市立砺波総合病院 皮膚科
キーワード:
乾癬
,
鑑別診断
,
薬疹
,
ブドウ膜炎
,
Infliximab
,
組織診
Keyword:
Infliximab
,
Diagnosis, Differential
,
Drug Eruptions
,
Psoriasis
,
Uveitis
pp.1133-1136
発行日 2013年12月1日
Published Date 2013/12/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2014067172
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<症例のポイント>TNF-α阻害薬は、関節リウマチ、Crohn病、潰瘍性大腸炎、ベーチェット病、難治性ブドウ膜炎、などに対して用いられる生物学的製剤の1つである。2010年1月から乾癬にも保険適応が承認され、皮膚科領域でも近年使用量が増加している薬剤である。一方で、TNF-α阻害薬投与中に乾癬や掌蹠膿疱症が新たに発症もしくは増悪する例が報告されており、逆説的副作用として注目されている。今回、難治性ブドウ膜炎にインフリキシマブを使用し、乾癬型薬疹を生じた1例を報告する。TNF-α阻害薬による乾癬型薬疹の発症機序は不明だが、自験例のように薬剤の中止をせずに症状が軽快していくことから、アレルギー性ではなく、TNF-α阻害薬によりサイトカインネットワークのバランスが崩れ、IFN-αが過剰に産生されるなどのためではないかと考えられている。
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