特集 代謝性疾患と皮膚病
臨床例
局所陰圧閉鎖療法が治療に有効であった難治性静脈うっ滞性潰瘍
小原 宏哉
1
,
天羽 康之
1北里大学 医学部皮膚科学教室
キーワード:
Cefazolin
,
Staphylococcus aureus
,
壊死
,
下肢潰瘍
,
下腿
,
静脈不全
,
職業病
,
浮腫
,
生検
,
デブリードマン
,
皮膚移植
,
ブドウ球菌感染症
,
陰圧閉鎖療法
Keyword:
Biopsy
,
Debridement
,
Cefazolin
,
Edema
,
Leg
,
Leg Ulcer
,
Occupational Diseases
,
Necrosis
,
Staphylococcal Infections
,
Staphylococcus aureus
,
Venous Insufficiency
,
Skin Transplantation
,
Negative-Pressure Wound Therapy
pp.613-616
発行日 2017年6月1日
Published Date 2017/6/1
DOI https://doi.org/10.24733/J01268.2017263807
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<症例のポイント>うっ滞性静脈潰瘍は慢性静脈不全に伴う難治性潰瘍である。自験例は5年間外用治療を行うも上皮化しなかった。画像上、静脈の血行動態に明らかな異常は確認できなかったが、職業柄長時間の下肢下垂があり、さらに肝硬変による多量の腹水貯留や脳出血による左半身麻痺、高度の肥満などで下肢の静脈灌流不全を生じていると判断した。さらに病理組織学的には、真皮内に脈管が増生、蛇行し、膠原線維が増生していることから静脈うっ滞を示唆していた。静脈うっ滞性潰瘍の特徴として創部からの浸出液が多く、解剖学的に下腿下三分の一、とくに足関節周囲に発症しやすいことがあげられる。自験例のような静脈うっ滞性潰瘍では、局所陰圧閉鎖療法が潰瘍のwound bed preparationと植皮の固定に有効であると考える。
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