特集 診断と治療に難渋した皮膚潰瘍
外傷による難治性潰瘍の経過を呈した血管肉腫の1例
有沢 宏貴
1
,
古川 洋志
,
足立 真美
,
都築 豊徳
1愛知医科大学病院 形成外科
キーワード:
下肢潰瘍
,
関節離断術
,
血管肉腫
,
股関節
,
腫瘍随伴症候群
,
鑑別診断
,
生検
,
デブリードマン
,
X線CT
,
皮膚腫瘍
,
免疫組織化学
Keyword:
Skin Neoplasms
,
Leg Ulcer
,
Immunohistochemistry
,
Hip Joint
,
Tomography, X-Ray Computed
,
Paraneoplastic Syndromes
,
Disarticulation
,
Debridement
,
Diagnosis, Differential
,
Hemangiosarcoma
,
Biopsy
pp.686-692
発行日 2022年6月10日
Published Date 2022/6/10
DOI https://doi.org/10.18916/J00398.2022224306
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67歳男性。右大腿部の外傷を契機に皮膚潰瘍を生じ、近医にて褥瘡として加療されるも改善せず、排膿を認めたため当院へ紹介となった。初診時、右大腿に10×7cmの壊死、出血を伴う皮膚潰瘍が認められ、更に潰瘍のそばに4×4cmの有茎性の腫瘤がみられた。CT所見より皮膚軟部組織感染症や壊疽性膿皮症、悪性腫瘍が鑑別に挙げられ、腫瘍部の一部を生検したところ、病理組織学的に血管肉腫と診断された。治療としては局所再発の観点から股関節離断術が施行され、術後16日~35日まで陰圧閉鎖療法を行い、術後42日で創部はほぼ閉鎖した。術後1年経過現在、局所再発や遠隔転移はみられていない。
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