特集 総排泄腔遺残症
子宮卵管留血腫に対する治療
金 聖和
1
,
小野 滋
1
Kiyokazu Kim
1
,
Shigeru Ono
1
1京都府立医科大学小児外科
pp.1170-1173
発行日 2025年11月25日
Published Date 2025/11/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001373
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はじめに
総排泄腔遺残症は,胎生5~8週頃の尿直腸中隔形成の異常により,直腸・腟・尿道が分離されないことにより生じる。そのため,消化管・尿路・腟を形成する根治手術を終えた後も,排便機能・排尿機能のみならず,性機能に関しても長期に及ぶフォローアップが必要となる。そのなかでも子宮・卵管留血腫(以下,本症)は,総排泄腔遺残症に伴う経血流出路障害から起こる病態で,月経を認めて以降の思春期ないし成人期に問題となる。また,感染を併発して難治化した場合は,子宮・卵管および卵巣を巻き込んだ骨盤内膿瘍を形成し,患者のQOLを著しく損なう恐れがある。

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