特集 小児外科疾患の発生を考える
先天性門脈欠損症・先天性門脈体循環短絡症
工藤 豊一郎
1
Toyoichiro Kudo
1
1流星台こどもクリニック
pp.864-868
発行日 2025年8月25日
Published Date 2025/8/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000001287
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はじめに
多くの門脈体循環短絡は後天的であり門脈圧亢進症により形成されるが,門脈圧亢進症によらない先天性門脈体循環短絡(congenital portosystemic shunt:CPSS)の存在が知られている。CPSSはまれな疾患だが,近年の新生児マススクリーニングや胎児エコーの普及により無症状のうちに発見されるようになってきた。この疾患の理解には発生の知識が欠かせず,本稿では遺伝的背景を含め概説したい。

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