特集 小児領域におけるGLP-2アナログ製剤(テデュグルチド)の応用
各論:各疾患に対する使用経験
GLP-2アナログ製剤が短腸症候群の腸内細菌叢に与える影響に関する研究;症例報告
柿原 知
1,2
,
吉田 真理子
1,2
,
高澤 慎也
1,2
,
森田 香織
1,2
,
一瀬 諒紀
1,2
,
渡辺 栄一郎
1,2
,
藤代 準
1,2
Tomo Kakihara
1,2
,
Mariko Yoshoda
1,2
,
Shinya Takazawa
1,2
,
Kaori Morita
1,2
,
Akinori Ichinose
1,2
,
Eiichiro Watanabe
1,2
,
Jun Fujishiro
1,2
1東京大学小児外科
2理化学研究所生命医科学センターマイクロバイオーム研究チーム
pp.398-402
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000791
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はじめに
短腸症候群(SBS)患者の管理において,栄養や水分,電解質の吸収不良による小腸不全は小児患者の成長や発達を妨げる重大な要因である。Glucagon-like peptide-2(GLP-2)アナログ製剤は絨毛の伸長や粘膜上皮細胞の増殖により腸管の消化管吸収機能を促進させ,小腸不全を改善することが報告されている 1)。また,タイトジャンクションに関わる遺伝子の発現を促進することで粘膜バリアの増強や維持に寄与し,バクテリアルトランスロケーションを防ぐといわれている2~4)。このように,GLP-2アナログ製剤はSBS発症後の合併症を改善させる可能性がある。
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