特集 小児領域におけるGLP-2アナログ製剤(テデュグルチド)の応用
総論
作用機序
加治 建
1
Tatsuru Kaji
1
1久留米大学医学部外科学講座小児外科部門
pp.317-319
発行日 2024年4月25日
Published Date 2024/4/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000772
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はじめに
小児外科領域で経験する短腸症候群は,新生児,乳児期早期に発症することが多いため,長期的に静脈,経腸による栄養管理を必要とする。本疾患に対する治療は,世界的にも難渋するものであったが,一つの転機になったのは1967年にDudrickらによるtotal parenteral nutrition(TPN)の開発であろう1)。しかしながら,長期静脈栄養に伴うカテーテル関連敗血症や静脈栄養関連肝障害が患児の生命予後に影響し,新たな問題になった。その後,経腸栄養を進めるために腸管延長術としてserial transverse enteroplasty(STEP)が外科治療として一つのブレイクスルーとなった。さらに小腸移植も行われるようになり,生存率は5年73%,10年59%,グラフト生着率は5年64%,10年47%であり,短期成績は他の臓器と遜色ないところまで近づいているが,長期成績の点ではさらなる改善が望まれるところである2)。
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