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特集 新規がん免疫療法としてのT-cell engagerの進歩と可能性
T-cell engagerの作用機序および耐性機序
Mode of action and resistance mechanisms of T-çell engager
野村 幸太郎
1,2
,
熊谷 尚悟
2
Kotaro NOMURA
1,2
,
Shogo KUMAGAI
2
1国立がん研究センター先端医療開発センター免疫TR分野
2同研究所腫瘍免疫研究分野
キーワード:
T-cell engager
,
腫瘍免疫
,
CD8+T細胞
,
耐性機序
Keyword:
T-cell engager
,
腫瘍免疫
,
CD8+T細胞
,
耐性機序
pp.482-486
発行日 2024年8月17日
Published Date 2024/8/17
DOI https://doi.org/10.32118/ayu290060482
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T-cell engagerはがん細胞とT細胞に結合可能な二重特異性抗体であり,がん細胞とT細胞を接合させることで抗腫瘍効果を発揮する新たながん免疫療法のひとつである.すでに複数の血液がん,小細胞肺がんでは臨床応用されているほか,前立腺がんなどの複数の固形がんにおいても有効性が期待されている.T-cell engagerは,腫瘍局所に存在するT細胞を再活性化する免疫チェックポイント阻害薬(ICI)とは異なる作用機序を有するため,ICIの効果が乏しいがん種においても効果が得られる可能性がある.一方で,いまだにT-cell engagerの効果が得られない患者も多く存在する.そのため,T-cell engagerに対する耐性機序の解明とその克服は,がん免疫治療における新たな課題である.本稿では,T-cell engagerの作用機序と治療耐性機序の解明に関する最新の知見を紹介する.
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