特集 総排泄腔遺残症の手術
VACTERL連合を合併する総排泄腔遺残症の治療戦略
廣畑 吉昭
1
,
小野 滋
,
薄井 佳子
,
馬場 勝尚
,
辻 由貴
,
廣谷 太一
,
関根 沙知
,
堀内 俊男
1自治医科大学とちぎ子ども医療センター 小児外科
キーワード:
Fallot四徴症
,
気管支鏡法
,
気管食道瘻
,
肛門部
,
膀胱尿管逆流
,
気管気管支形成術
,
喉頭形成術
,
VATER Association
,
総排泄腔遺残
Keyword:
Anal Canal
,
Bronchoscopy
,
Tracheoesophageal Fistula
,
Tetralogy of Fallot
,
Vesico-Ureteral Reflux
,
Laryngoplasty
,
VACTERL Association
pp.894-897
発行日 2019年9月25日
Published Date 2019/9/25
DOI https://doi.org/10.24479/J00645.2019396276
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症例は6歳女児で、出生後の診察で鎖肛、心雑音、酸素化不良を認めたため、当院NICUに救急搬送となった。身体所見から総排泄腔遺残症と診断した。また、心臓超音波検査でFallot四徴症を認めた。日齢66に硬性気管支鏡検査を再検し、Gross E型の気管食道瘻を認め、気管切開術を施行した。術後尿路系の再評価目的に膀胱造影検査を施行し、直腸膀胱瘻と右尿管逆流を認めた。1歳時にFallot四徴症に対して心内修復術を施行した。術後の体重増加は良好で、1歳9ヵ月時に後方矢状切開肛門形成術と尿管逆流防止術を行った。さらに、3歳7ヵ月時に硬性気管支鏡検査を施行し、声門下腔は約2mmの小孔を認めるのみであり、頸部アプローチによる喉頭気管形成術を施行した。その後、5歳時に抜管することができ、8歳時に気管切開孔閉鎖術を行った。現在は小児泌尿器科と腟造設術の時期に関して協議中である。
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