特集 短腸症候群の診療における問題点
第118回東京小児外科研究会より
短腸症候群と栄養管理
田附 裕子
1
,
上野 豪久
1
,
木村 武司
2
,
別所 一彦
1
,
奥山 宏臣
1
Yuko Tazuke
1
,
Takehisa Ueno
1
,
Takeshi Kimura
2
,
Kazuhiko Bessho
1
,
Hiroomi Okuyama
1
1大阪大学大学院医学系研究科小児成育外科
2大阪大学大学院医学系研究科小児科
pp.289-295
発行日 2022年3月25日
Published Date 2022/3/25
DOI https://doi.org/10.24479/ps.0000000077
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はじめに
短腸症候群は,短小腸に加え,通常の栄養管理では水分,電解質を含む各栄養素の吸収が不十分で必要量が満たされない,腸管吸収不良症候群といえる。短小腸のさまざまな原因に加え,残存小腸の長さ以外に腸管の切除部位や腸管の吻合部位,人工肛門の有無,回盲弁の有無などにより,栄養素の吸収不良には差がある。また,臨床経過や腸管順応の状況によってもその吸収能には差が生じる。さらに小児では発達・発育への配慮も必要で,年齢に応じた栄養投与量の調整も重要となる。
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