特集 ここまで来た! 新生児マススクリーニングと対象疾患の治療
新生児マススクリーニングの検査法―もはやガスリー法ではない
タンデムマスを用いたアミノ酸,アシルカルニチン分析
磯部 充久
1
ISOBE Mitsuhisa
1
1さいたま市健康科学研究センター
pp.1747-1751
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002155
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はじめに
タンデム型質量分析計(タンデムマス)を用いたアミノ酸,アシルカルニチン分析(タンデムマス法)は1990年代に米国で開発され,2000年頃から世界的に普及が進んだ1,2)。わが国においては,1997年に国内で初めてのタンデムマス法のパイロット研究が開始され,2004年には厚生労働科学研究でタンデムマス法について検討が進められることになった。こうした検討の成果をもとに,2011年には厚生労働省雇用均等・児童家庭局母子保健課長からタンデムマス法の導入を積極的に検討するよう都道府県・政令市に通知が発出された。それまで,タンデムマス法はパイロット研究として一部の地域でしか実施されていなかったが,この通知を契機に全国の自治体で導入が進み,2014年には全国の自治体の新生児マススクリーニング事業でタンデムマス法が実施されるようになった2)。
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