特集 スクリーニング―その進化と課題
新生児マススクリーニングの新たな展開―タンデムマス法の導入
山口 清次
1
1島根大学医学部小児科
pp.853-857
発行日 2012年11月15日
Published Date 2012/11/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1401102576
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はじめに
新生児マススクリーニング(以下,新生児MS)は,知らずに放置すると障害の起こる先天性疾患を発症前に見つけて,障害を予防(または軽減)する事業である.
1950年代にフェニルケトン尿症の治療ミルクが開発され,1960年代にガスリーテストが発明されて以来,新生児MSによって障害を予防するという考え方が急速に広まった1,2).
最近,タンデムマス法という新しい検査法を導入して対象疾患を拡大する動き(拡大スクリーニング)が,世界的に普及しつつある3,4).わが国でも2011年に「タンデムマス法の導入の推進」について厚生労働省課長通達が出され,現在全国自治体に広がりつつある.そこで,わが国のタンデムマス法導入による新生児MSの新しい展開と今後の課題について述べたい.
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