特集 ここまで来た! 新生児マススクリーニングと対象疾患の治療
総論
「正常値」は存在しない―カットオフ値設定と精度管理
花井 潤師
1
HANAI Junji
1
1北海道薬剤師会公衆衛生検査センター
pp.1741-1745
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000002154
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はじめに
成人の健康診断や人間ドックなどで行われる臨床検査では,検査結果は「基準範囲」として示されている。以前は,「正常値」や「正常範囲」などとして示されていたが,それらが,必ずしも「正常」と「異常」を区別する値ではないこと,「正常」を外れれば,「異常」と誤解されることもあることなどから,国際的な基準1)に合わせて,健常と考えられる集団から測定で得られた検査値の中央95%が分布する範囲である「基準範囲」が用いられている2)。
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