特集 完全把握をめざす小児の心疾患
先天性心疾患(各論)
先天性大動脈弁・弁上・弁下狭窄症
木村 正人
1
KIMURA Masato
1
1国立病院機構仙台医療センター小児科
pp.551-554
発行日 2024年4月1日
Published Date 2024/4/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001606
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疾患の概念
大動脈狭窄(aortic stenosis)は,その狭窄する部位により大動脈弁・弁上・弁下狭窄に分類され(図)1),それぞれの発生頻度や自然歴は異なる。全体の発症頻度は全先天性心疾患の3~6%と比較的高く,男女比は4:1と男児に多い1)。そのうちの71%は弁狭窄であり,大動脈二尖弁がもっとも多い。二尖弁の約半数は縫線(raphe)といわれる線状の構造物を認め,右冠尖-左冠尖融合型がもっとも多く,右冠尖-無冠尖,左冠尖-無冠尖の順に少なくなる。合併奇形は大動脈縮窄症(CoA)や動脈管開存症(PDA),心室中隔欠損症(VSD),僧帽弁狭窄症などがある。
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