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TAVI/TAVR(Transcatheter-Aortic-Valve-Implantation/Replacement)とは
TAVIは開胸手術が困難である,重症大動脈弁狭窄症に対する新たなカテーテル治療として開発された.これまで,大動脈弁に対するカテーテル治療は大動脈弁バルーン拡張術(PTAV)が主流であったが,合併症の頻度に加えて,比較的短期間に再発することから広く定着しなかった1).本治療はそのような現状を打開する治療方法として2002年に初めて人において行われ2),現在欧米ではEdwards SAPIENとMedtronic CoreValve(図1~3)が主に使用されている.これらのデバイスは欧米における実臨床に導入され,既に5年以上が経過している.既に6万人以上がこの治療を受けていると言われている.次世代のTAVIデバイスも次々と開発され,主にヨーロッパを中心に数種類のTAVIデバイスが既に臨床導入されている.本邦においても両デバイスともに臨床治験が行われ,Edwards SAPIENについては,既に結果が日本循環器病学会にて報告されている(後述,PRVAIL Japan).現在,Medtronic CoreValveも本邦において臨床治験が行われており,同様の結果が期待されている.これまで本治療の適応は,開胸手術のリスクが高く手術という選択肢がない,いわゆるハイリスク症例でありその有効性は大規模試験により十分に実証されている.本邦においても,臨床試験によりその有効性は実証されているが,数施設における限られた少数例における結果であり,日本全国で同等の成績が得られるかはどのように導入するかにかかっているといっても過言ではない.本稿では,TAVIの有効性とともに本邦において,安全に導入され,良好な成績を挙げるための要件についても記述したい.
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