特集 一般医のためのエコー活用法
Ⅲ.心臓
疾患の評価
大動脈弁狭窄
山田 聡
1
1北海道大学大学院医学研究科循環病態内科学
pp.180-184
発行日 2007年11月30日
Published Date 2007/11/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402103066
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大動脈弁狭窄(aortic stenosis:AS)の治療法を検討する際に考慮すべき項目として,症状の有無,狭窄の重症度,左室機能,合併症が重要である.心エコー法は大動脈弁の形態と機能を非侵襲的に評価することができ,ASの診断に最も大きな役割を果たすツールである.心エコー法により,①ASの存在診断と成因評価,②狭窄重症度の評価,③左室機能評価が可能であり,これらの診断に左心カテーテル法が用いられることは,エコー所見が臨床像と一致しない場合に限られる.さらに,心エコー法により,弁石灰化の程度,弁輪のサイズ,上行大動脈の形態,二次性の左室流出路狭窄,僧帽弁など,ほかの弁病変,左室肥大の程度,肺高血圧の有無・程度などが評価可能である.
本稿では,成因評価,病態生理,狭窄の重症度評価,自然歴を中心に概説する.
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