特集 小児科医が知っておくべき筋疾患診療:遺伝学的理解と治療の最新事情
代表的筋疾患
Pompe病とその他の代謝性ミオパチー
福田 冬季子
1
FUKUDA Tokiko
1
1浜松医科大学医学部医学科浜松成育医療学講座
pp.1946-1952
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001433
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はじめに
代謝性ミオパチーは骨格筋のエネルギー代謝異常によりひき起こされる遺伝性疾患であり,主に糖原病,脂質代謝異常症,ミトコンドリア病に分類され,筋症状の特徴から,運動不耐,筋痛,筋けいれん,ミオグロビン尿症などの「発作性筋症状」を示す疾患と,「固定性・進行性筋力低下」を示す疾患に分類される。代謝性ミオパチーはいずれも希少疾患であり,診断は容易ではないが,次世代シークエンサーなどの新しい技術の出現により,診断効率が向上するとともに,新たな疾患が同定され,病態解明にも結びついている。Pompe病では新規酵素補充薬が開発され,乳児型Pompe病では迅速な診断が不可欠であるため,国内においてもPompe病の新生児スクリーニングが広がりをみせている。
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