特集 小児科医が知っておくべき筋疾患診療:遺伝学的理解と治療の最新事情
代表的筋疾患
先天性ミオパチー
小笠原 真志
1,2
OGASAWARA Masashi
1,2
1公立昭和病院小児科
2国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第一部
pp.1941-1945
発行日 2023年12月1日
Published Date 2023/12/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001432
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疾患概念
先天性ミオパチーは骨格筋の構造異常により出生時,あるいは乳児期早期より筋力低下と筋緊張低下をきたす遺伝性の筋疾患で,筋病理で筋線維内に異常構造物を認めるのが特徴である。従来は筋病理学的所見によって次のように診断されてきた。筋線維内にネマリン小体(nema:ギリシャ語で糸の意味)を認める場合をネマリンミオパチー,コア様構造(NADH-TRで染色すると,筋線維内の一部が染色されず穴が空いているように見える)を認める場合をコアミオパチー(セントラルコア病・マルチミニコア病),多数の筋線維の中心部に核を認める場合(正常では筋線維の核は辺縁にある)を中心核ミオパチー(ミオチュブラーミオパチーを含む),タイプ1筋線維(赤筋:遅筋)がタイプ2筋線維(白筋:速筋)よりも小径である場合を先天性筋線維タイプ不均等症とよんでいる1)(図1)。
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