特集 日常診療で見落としたくない神経疾患
Ⅱ 新たな診断・治療が可能となった疾患
10.Pompe病
福田 冬季子
1
1浜松医科大学医学部医学科浜松成育医療学講座
キーワード:
酸性αグルコシダーゼ
,
新生児スクリーニング
,
酵素補充療法
,
呼吸不全
,
筋力低下
Keyword:
酸性αグルコシダーゼ
,
新生児スクリーニング
,
酵素補充療法
,
呼吸不全
,
筋力低下
pp.1025-1030
発行日 2023年10月1日
Published Date 2023/10/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000002723
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Pompe病はグリコーゲンを分解するライソゾーム酵素;酸性αグルコシダーゼ(GAA)欠損症であり,乳児型と遅発型に分類される.乳児型はフロッピーインファント,心肥大,哺乳力低下を発症し,自然歴では多くは1歳までに死亡する.遅発型は近位筋優位の筋力低下と呼吸障害を主症状とする.Pompe病は治療可能な疾患であり,2021年に細胞内への酵素の取り込みを改良した酵素補充薬アバルグルコシダーゼ アルファが健康保険収載された.日常診療で本症を疑い確実に診断することが重要であり,遅発型では肢帯型筋ジストロフィーなどとの鑑別が重要である.乳児型は進行が速く,迅速な診断・治療開始が予後を左右するため,Pompe病の新生児スクリーニング実施が増加している.
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