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特集 エキスパートが教える 小児の薬物治療
Ⅲ.疾患別
L.新生児・乳児疾患
早産児代謝性骨疾患(早産児骨減少症)
Metabolic bone disease of prematurity
本倉 浩嗣
1,2
,
河井 昌彦
1
Kouji Motokura
1,2
,
Masahiko Kawai
1
1京都大学医学部附属病院総合周産期母子医療センター
2兵庫県立尼崎総合医療センター小児科
キーワード:
metabolic bone disease
,
Ricket
,
Osteopenia
Keyword:
metabolic bone disease
,
Ricket
,
Osteopenia
pp.892-895
発行日 2023年11月30日
Published Date 2023/11/30
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001358
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1 疾患概念
胎盤を介してCaとPが能動輸送され,胎児の血中CaとP濃度が高値に維持されることは胎児の骨形成において重要である。胎児は満期までに約30gのCaを蓄えるが,その80%は胎生後期に生じ,胎盤を介したCa輸送は120~150mg/kg/日にも及ぶ1)。この時期に子宮外で過ごすことを余儀なくされる早産児は,Ca・Pが十分蓄積されていない状態で出生する。胎盤から切り離された早産児に,経口的あるいは経静脈的に胎児期に匹敵する量のCa・Pを投与することは容易でなく,早産児はCaやPの不足から早産児代謝性骨疾患(早産児骨減少症,早産児くる病)に陥る。なお,胎生期の胎盤からのミネラル輸送にビタミンDは関与しないが,出生後の腸管からのCa吸収にはビタミンDが必要なため,出生後のビタミンD欠乏はCa吸収不良を生じる。
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