増刊号 191の疑問に答える周産期の栄養
新生児・乳児の栄養
7.合併症をもった児の栄養管理
11)早産児骨減少症の管理
河井 昌彦
1
Kawai Masahiko
1
1京都大学医学部附属病院総合周産期母子医療センター
キーワード:
早産児骨減少症
,
カルシウム
,
リン
,
ビタミンD
,
副甲状腺機能亢進
Keyword:
早産児骨減少症
,
カルシウム
,
リン
,
ビタミンD
,
副甲状腺機能亢進
pp.702-704
発行日 2022年11月18日
Published Date 2022/11/18
DOI https://doi.org/10.24479/peri.0000000675
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
早産児骨減少症の病態
胎児は胎盤を介して母体から多量のカルシウム(Ca),リン(P)が供給されるため,これをもとに骨形成が進む。胎児の骨形成は胎児期後期に起こり,Ca貯蔵の約80%は妊娠第3三半期に生じるため,この時期を子宮外で過ごすことを余儀なくされた早産児はCaおよびPの供給量の不足に陥ってしまう1)。一方,胎児期のCaの経胎盤輸送にビタミンDは必要ではないが,出生後Caの腸管からの吸収にはビタミンDが必須であり,早産児の骨形成の障害すなわち,早産児骨減少症はCa,P,ビタミンDのいずれかの不足によって引き起こされる。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.