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特集 エキスパートが教える 小児の薬物治療
Ⅲ.疾患別
K.社会心理学的疾患
起立性調節障害
Orthostatic dysregulation
岡田 あゆみ
1,2
Ayumi Okada
1,2
1岡山大学学術研究院医歯薬学域
2岡山大学病院小児医療センター小児心身医療科
キーワード:
起立性調節障害
,
体位性頻脈症候群
,
βブロッカー
,
不登校
,
睡眠障害
Keyword:
起立性調節障害
,
体位性頻脈症候群
,
βブロッカー
,
不登校
,
睡眠障害
pp.879-886
発行日 2023年11月30日
Published Date 2023/11/30
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001356
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1 疾患概念
起立性調節障害(orthostatic dysregulation:OD)は,起立に伴う循環動態の変化に対する生体の代償的調節機構がなんらかの原因で破綻して生じたものである1)。この機構には,循環血液量,心拍出量,末梢血管特性,脳循環調節特性とこれらを統合する自律神経機能が含まれており,本症はこの機構のいずれかに異常をきたす機能性の身体疾患である。自律神経系は心理社会的ストレスの影響を受けやすく,学齢期に発症すると生活上の支障が大きいため,OD診療では心身症(身体疾患のなかでその発症や経過に心理社会的な要因の影響が大きい病態)としての理解が重要である。よって,biopsychosocialな視点をもち,「薬物療法が効果を発揮するための準備」の必要性に留意する。
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