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特集 エキスパートが教える 小児の薬物治療
Ⅱ.薬剤別
昇圧薬―起立性調節障害などの低血圧症に対して
Antihypertensive drugs: for orthostatic dysregulation and other hypotension
永井 章
1
Akira Nagai
1
1国立成育医療研究センター総合診療科
キーワード:
起立性調節障害
,
ODガイドライン
,
ミドドリン塩酸塩
,
FDA
,
アメジニウムメチル硫酸
Keyword:
起立性調節障害
,
ODガイドライン
,
ミドドリン塩酸塩
,
FDA
,
アメジニウムメチル硫酸
pp.163-165
発行日 2023年11月30日
Published Date 2023/11/30
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001203
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どのような薬か
起立性調節障害(orthostatic dysregulation:OD),起立性低血圧の治療に使用される経口内服薬について述べる。起立性低血圧症に対しての薬物治療薬となりうるものとしては,その病態から大別すると末梢血管抵抗や心拍数を上昇させるアドレナリン作動薬もしくは循環血管量を増加させる合成鉱質コルチコイド薬となる。しかしわが国では,合成鉱質コルチコイド薬は起立性低血圧症の保険適用はなく,わが国での診療においてOD,起立性低血圧症に対しての使用可能な薬物は,アドレナリン作動薬であるミドドリン塩酸塩およびメチル硫酸アメジニウムとなる。本稿ではこのミドドリン塩酸塩,アメジニウムメチル硫酸の概説を行い,また米国でも神経原性の起立性低血圧症に適応承認されているドロキシドパにも言及した。なお,わが国のODの起立直後性低血圧症と海外の起立性低血圧症では,診断基準などの差異があることには留意が必要である。
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