特集 子どもと漢方―日常診療に役立つ考え方・使い方
11.起立性調節障害
和田 啓介
1
,
竹谷 健
1
1島根大学医学部小児科
キーワード:
起立性調節障害
,
不登校
,
めまい
,
動悸
,
半夏白朮天麻湯
Keyword:
起立性調節障害
,
不登校
,
めまい
,
動悸
,
半夏白朮天麻湯
pp.301-307
発行日 2020年3月1日
Published Date 2020/3/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000001224
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起立性調節障害(OD)は,立ちくらみ,失神,朝起き不良,倦怠感,動悸,頭痛などの症状を伴い,思春期に好発する自律神経機能不全の1つである.小・中学生の5~10%が罹患しており,早期の診断と適切な対応を行わなければ,学校に行けなくなることも少なくない.治療方法として,疾病教育,非薬物療法(生活指導),学校への指導や連携,薬物療法,環境調整(友だち・家族),心理療法がある.薬物療法のうち,「証」や症状に応じてさまざまな漢方薬が選択されるが,半夏白朮天麻湯が第1選択薬に使用されることが多い.そのほか,苓桂朮甘湯,補中益気湯,小建中湯,真武湯,柴胡桂枝湯,柴胡加竜骨牡蠣湯,桂枝加竜骨牡蠣湯などが使用される.ODは薬物療法単独では効果がでないことも多く,薬物療法以外の治療も重要である.
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