増大号特集 正しく指示する食事指導・食事療法
4.起立性調節障害
中尾 亮太
1
1なかおこどもクリニック
キーワード:
起立性調節障害
,
食事指導
,
塩分摂取
,
水分摂取
,
循環血漿量
Keyword:
起立性調節障害
,
食事指導
,
塩分摂取
,
水分摂取
,
循環血漿量
pp.1421-1426
発行日 2017年11月1日
Published Date 2017/11/1
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000219
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起立性調節障害(OD)は重症例では起立するたびにめまい,暗黒感,頭痛,動悸,強い倦怠感が出現し起立することが困難となり不登校状態になる場合もまれではない.身体的治療として,薬物療法の前に食事療法が有効である.それはOD の病態の一つと考えられる循環血漿量の低下の改善を目的とした水分摂取と塩分摂取である.患者・家族へ水分摂取量は少なくとも小児の維持輸液量である1500 mL/m2 は必要で,体重に応じて1 日1.5〜2.0 L の水分摂取が必要であることを説明,また塩分摂取量は1 日塩分摂取量が10 g 必要であり,OD 児は3 g ぐらい少ないことが多く,いつもの食事に3 g 程,余分に摂るように説明するが,念のため塩分摂取状況は確認しておく.食事指導を行う際は,モチベーションを継続するため,なぜ必要かを理解してもらうためにイラスト等を利用し説明するのがよい.
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