特集 思春期を診る!
Ⅱ章 小児科医が行う思春期診療─どう診るか?どこまで診るか?
6 起立性調節障害
吉田 誠司
1
,
田中 英高
2
S. Yoshida
1
,
H. Tanaka
2
1大阪医科大学附属病院小児科
2OD低血圧クリニック田中
キーワード:
起立性調節障害
,
思春期
,
自律神経
,
心理療法
,
不登校
Keyword:
起立性調節障害
,
思春期
,
自律神経
,
心理療法
,
不登校
pp.510-516
発行日 2018年4月30日
Published Date 2018/4/30
DOI https://doi.org/10.18888/sh.0000000428
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起立性調節障害(OD)は起立に伴う循環動態の変化を調節統合する自律神経機能の異常や循環血液量の減少により生じる.ODが疑われたら鑑別疾患除外の後,新起立試験でODサブタイプ判定を行う.治療は「OD診断・治療ガイドライン」に示す治療的対応の組み合わせに沿って行うが,疾病教育と非薬物療法はすべての症例で必ず行う.移行期については15歳で移行準備開始し,高校卒業年齢の18歳で移行完了が理想的,そして遅くとも法律上の成人を迎える20歳までに成人科に移行することが望ましい.OD診療のコツは,受容・支持・保証の一般心理療法により信頼関係を構築し,スモールステップで自己効力感・自己肯定感を高め,社会復帰への治療意欲につなげることであると考える.
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