Japanese
English
特集 エキスパートが教える 小児の薬物治療
Ⅲ.疾患別
D.消化器疾患
潰瘍性大腸炎
Ulcerative colitis
加藤 健
1
,
水落 建輝
1
Ken Kato
1
,
Tatsuki Mizuochi
1
1久留米大学医学部小児科学講座
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
ステロイド
,
生物学的製剤
,
5-ASA
,
チオプリン
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
ステロイド
,
生物学的製剤
,
5-ASA
,
チオプリン
pp.493-497
発行日 2023年11月30日
Published Date 2023/11/30
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001277
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1 疾患概念
潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)は,炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:IBD)の一つで,主として粘膜を侵し,しばしばびらんや潰瘍を形成する大腸の原因不明のび漫性非特異性炎症である。原因は不明で,免疫病理学的機序や心理学的要因の関与が考えられている1)。小児では世界的に増加傾向にあり,わが国の有病率は20歳未満で2004年は10万人あたり11.0人,2013年は10万人あたり15.0人と報告されている2)。発症年齢のピークは20代で,発症人数に性差はない。一般的な症状としては,血便,下痢,腹痛,体重減少である。病型に関しては成人よりも全大腸炎型が多く,病態もより重症なことが多い。長期にわたり,かつ大腸全体を侵す場合には悪性化の傾向がある1)。
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