特集 Common disease となった潰瘍性大腸炎の現状と診療のコツ
4 .5‒ASA 製剤の種類,適応症例と使い方および副作用 ―不耐も含めて
安富 絵里子
1
,
井口 俊博
1
,
平岡 佐規子
1
1岡山大学病院消化器内科
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
5-ASA
,
サラゾスルファピリジン
,
不耐
,
アレルギー
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
5-ASA
,
サラゾスルファピリジン
,
不耐
,
アレルギー
pp.759-764
発行日 2022年6月20日
Published Date 2022/6/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000002236
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
5-アミノサリチル酸(5-ASA)製剤は潰瘍性大腸炎(UC)の寛解導入と寛解維持に有効であり,軽症~中等症のUCに用いる基本薬である.本邦ではサラゾスルファピリジンと3種類のメサラジン製剤を用いることが可能で,それぞれ5-ASAの放出機構,薬物動態に特徴がある.寛解導入効果は標準用量から高用量の5-ASAで有効性が認められており,十分量の投与が必要である.また,寛解維持にはアドヒアランスの遵守が重要である.5-ASAは全身の免疫抑制作用はなく安全性は高いとされるが,副作用もある.とくに,腹部症状の悪化をきたす「5-ASAアレルギー」と呼ばれるものがあり,5-ASA製剤内服開始1~2週間程度で出現することが多い.近年その増加も指摘されており,注意を要する.
Copyright © 2022, Nihon Medical Centers, Inc. All rights reserved.