特集 分子標的時代のIBD 診療 ―IBD の寛解導入,寛解維持の実践
1.潰瘍性大腸炎に対する寛解導入と寛解維持(2)潰瘍性大腸炎に対する寛解導入療法と薬剤の位置づけ
吉村 直樹
1
1東京山手メディカルセンター炎症性腸疾患内科
キーワード:
潰瘍性大腸炎
,
寛解導入療法
,
5‒ASA 製剤
,
ステロイド
,
新規薬剤
Keyword:
潰瘍性大腸炎
,
寛解導入療法
,
5‒ASA 製剤
,
ステロイド
,
新規薬剤
pp.1193-1200
発行日 2020年8月20日
Published Date 2020/8/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001314
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潰瘍性大腸炎(UC)は原因不明の再燃と寛解を繰り返す慢性の難治性炎症性腸疾患である.原因不明なため根治的治療法はなく薬物による対症療法が内科治療の中心となる.寛解導入療法の基本は,重症例を除き第一に5‒ASA 製剤を高用量投与し,5‒ASA 製剤のみではコントロール不十分な中等症以上の症例ではステロイド(PSL)を投与する.PSL はUC 治療の分水嶺に位置づけられPSL 大量投与に反応しない難治性症例に対しては血球成分除去療法,カルシニューリン阻害薬,生物学的(Bio)製剤が使われる.この3 年間で新規Bio 製剤,JAK 阻害薬が保険適用となり,治療選択肢が増えたことで難治性UC の寛解導入率,手術回避率のさらなる向上が期待されるが,どの薬剤を第一に導入すべきかについてはまだ一定のコンセンサスは得られていない.
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