特集 IBD診療のdecision making ― 専門医の選択
3.クローン病初期治療(3)ステロイド+チオプリンで開始する立場から
髙尾 政輝
1
,
伊藤 早耶
1
,
前北 隆雄
1
,
井口 幹崇
1
,
北野 雅之
1
1和歌山県立医科大学内科学第2講座
キーワード:
ステロイド
,
チオプリン
,
ステップアップ療法
Keyword:
ステロイド
,
チオプリン
,
ステップアップ療法
pp.166-171
発行日 2021年1月20日
Published Date 2021/1/20
DOI https://doi.org/10.19020/CG.0000001670
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クローン病の内科治療において生物学的製剤の有用性が多数報告され,早期から用いられるようになってきた.しかし,必ずしもすべての症例において生物学的製剤が必要ということはなく,従来のステップアップ療法で長期寛解維持が可能な症例も少なくない.生物学的製剤には二次無効や投与中止時期などの問題があり,早期導入が不要な症例ではステップアップ療法での治療を試みるべきである.新たなステロイド製剤のブデソニドやチオプリンの副作用予測としてNUDT15遺伝子多型検査が保険適応となり,ステロイドとチオプリンを安全に使用できるケースも増えている.個々の症例の病状を把握し,将来を見据えた治療を考えることが大切である.
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