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特集 エキスパートが教える 小児の薬物治療
Ⅱ.薬剤別
制吐薬
Antiemetics
別所 一彦
1
Kazuhiko Bessho
1
1滋慶医療科学大学大学院医学管理研究科
キーワード:
嘔吐中枢
,
化学受容器トリガーゾーン
,
前庭器官
,
ドパミンD2受容体
,
セロトニン5-HT3受容体
Keyword:
嘔吐中枢
,
化学受容器トリガーゾーン
,
前庭器官
,
ドパミンD2受容体
,
セロトニン5-HT3受容体
pp.142-149
発行日 2023年11月30日
Published Date 2023/11/30
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000001199
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どのような薬か
嘔吐とは,胃・食道および腹筋の強調運動によって,胃腸内容物が口・鼻から吐出する一連の運動である。また嘔気とは,胃の内容物を口から吐出したいという切迫した不快な感覚を咽頭部や心窩部に感じる状態である。嘔吐は本来,摂取した毒素を体外に排出するための防御機構として発達したと考えられているが,感染症,化学療法,外科的処置後,髄膜炎・脳腫瘍・頭蓋内出血などの中枢性疾患,代謝性疾患,乗り物酔いなど,有害物質の摂取とは無関係に起こることも多い(表1)1, 2)。また,嘔吐は脱水症,電解質異常,Mallory-Weiss症候群などの合併症を引き起こすことがあり,嘔吐・嘔気を適切に治療することにより,患者の快適性を向上させるとともにこれらの合併症を回避することができる。
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