特集 悪心・嘔吐へのアプローチ
悪心・嘔吐へのアプローチ―治療編
伊藤 澄信
1,2
1順天堂大学医学部臨床薬理学
2順天堂大学医学部総合診療科
キーワード:
嘔吐中枢
,
制吐剤
,
対症療法
Keyword:
嘔吐中枢
,
制吐剤
,
対症療法
pp.501-504
発行日 2003年6月1日
Published Date 2003/6/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1414100627
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
悪心・嘔吐とは
悪心(nausea)は心窩部や前胸部に起こるムカムカとした不快感を指し,嘔吐(vomiting)は胃内容物が急激かつ強制的に口外に吐き出されることであり,食道・胃・横隔膜などによる一連の反射運動である.悪心は実現しなかった嘔吐と考えられる.
悪心・嘔吐は,延髄の背外側網様体に存在する嘔吐中枢(chemoreceptor trigger zone:CTZ)が刺激された際に起こる.嘔吐に関連する神経伝達物質として,①アセチルコリン(ACh)受容体(M1),②ドパミン受容体(D2),③ヒスタミン受容体(H1),④セロトニン受容体(5-HT3,および5-HT4)の4種の存在が明らかにされている.
Copyright © 2003, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.