特集 どうする? 小児の便秘・下痢
下痢の原因となる器質的疾患の診断と治療
炎症性腸疾患
萩原 真一郎
1
HAGIWARA Shin-ichiro
1
1大阪母子医療センター消化器・内分泌科
pp.421-426
発行日 2023年3月1日
Published Date 2023/3/1
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000811
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炎症性腸疾患―総論
1.原 因
慢性下痢を呈する疾患のなかで,小児においても炎症性腸疾患(inflammatory bowel disease:IBD)を鑑別に挙げる必要がある場合がある。IBDは,消化管に慢性炎症を生じる原因不明の疾患であり,狭義には潰瘍性大腸炎(ulcerative colitis:UC)とクローン病(Crohn’s disease:CD)の2疾患が挙げられる。UCは下痢,血便,腹痛で発症し,ときに発熱を呈する。またCDは下痢や腹痛,肛門病変による症状などがあり,成長障害のみで発症する症例が存在する。
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