特集 進歩する貧血の治療法
骨髄異形成腫瘍(骨髄異形成症候群)の治療
鈴木 隆浩
1
1北里大学医学部血液内科学 主任教授
キーワード:
骨髄異形成腫瘍(MDS)
,
改訂国際予後判定スコアリングシステム(IPSS-R)
,
ルスパテルセプト
Keyword:
骨髄異形成腫瘍(MDS)
,
改訂国際予後判定スコアリングシステム(IPSS-R)
,
ルスパテルセプト
pp.13-17
発行日 2025年6月20日
Published Date 2025/6/20
DOI https://doi.org/10.34449/J0001.42.02_0013-0017
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骨髄異形成腫瘍(MDS)は貧血を含む難治性血球減少を特徴とする骨髄性腫瘍である。染色体異常、骨髄芽球割合、血球減少の程度を基準として高リスク症例と低リスク症例に分類され、高リスク症例では腫瘍細胞の抑制を目標に抗腫瘍療法、低リスク症例では血球減少に伴う臓器障害や生活の質の改善を目標に造血促進療法が選択される。低リスク症例における造血促進療法としては①赤血球造血刺激因子製剤、②ルスパテルセプト、③レナリドミド、④免疫抑制薬、⑤タンパク同化ステロイド、⑥メチル化阻害薬が患者背景に応じて選択されるが、保険適応や有効性が限られているものも多く、治療選択に困ることが多い。本稿では、2024年に上市されたルスパテルセプトを含め、主に低リスクMDSの貧血に対する治療について解説する。

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