Japanese
English
増刊号 小児疾患診療のための病態生理3―改訂第6版―
Ⅶ.血液・腫瘍性疾患
4.血色素異常症
hemoglobinopathies
山城 安啓
1
YAMASHIRO Yasuhiro
1
1山口大学大学院医学系研究科保健学専攻
pp.842-846
発行日 2022年12月23日
Published Date 2022/12/23
DOI https://doi.org/10.24479/pm.0000000662
- 有料閲覧
- Abstract 文献概要
- 1ページ目 Look Inside
- 参考文献 Reference
- サイト内被引用 Cited by
1 基本病因,発症機序
ヒトの血色素(hemoglobin:Hb)は141個のアミノ酸からなるαグロビンと146個のアミノ酸からなる非αグロビンの各2分子の4量体である。各グロビンのサブユニットの疎水性ポケットには1個のヘムが結合しており,Hbは計4個のヘムを持っている。αグロビン遺伝子群は16p13.33に存在し,5’側からζ-α2-α1の順に配置している。一方,非αグロビン遺伝子群は11p15.5に存在し,5’側からε-Gγ-Aγ-δ-βの順に配列している。胎生期には,γグロビンが優位に発現しHbのほとんどがHbF(α2γ2)である。生下時直前からはβグロビンの発現が優位となり,HbA(α2β2)の割合が急激に増える。成人ではHbAが約96%,HbA2(α2δ2)が約3%,HbFが約1%を占めている。
© tokyo-igakusha.co.jp. All right reserved.